
【全3回】成功ストアから学ぶ越境ECで押さえるポイント②
コミュニケーションとマーケティング
2025/07/09
前回の記事では言語と国ごとの異なる点をご紹介しましたが、越境販売を成功させるためには、コミュニケーションとマーケティング戦略が不可欠です。国内の販売でも必要ですが、国内での対応方法と海外でのコミュニケーション及びマーケティングは異なりますので、こうした違いを理解し、適切に設計することで成功への近道となります。本記事では『お客様との接点』であるコミュニケーションとマーケティングに焦点を当て、越境ECで成果を出す具体策を解説します。
コミュニケーション
越境販売を始める際の大きな課題のひとつが、お客様とのコミュニケーションです。国内での対応とは異なり、言語の違いによって意思疎通の齟齬が生まれやすくなります。
お客様目線で、どのように円滑なコミュニケーションを実現できるかを考えてみましょう。
カスタマーサポートでのコミュニケーション
越境販売に限らず、ストアを運営しているとお問い合わせをいただくことは避けられません。越境販売ではお問い合わせの言語も意識する必要がございます。越境EC市場の規模を踏まえると、基本となる言語は中国語・英語になります。中国語対応もできれば理想的ですが、まずは英語対応から始めるのが推奨されます。
もちろん英語や中国語および日本語を話せる人材を雇うことが理想的ですが、現代ではAIによる翻訳のレベルも向上しており、コミュニケーションの齟齬が発生しにくくなっています。ただし、翻訳ツールを使用していることは事前に伝え、理解を得られるよう配慮しましょう。
メールでのお問い合わせ以外にも、ストアに細かい情報を所々入力することや、FAQの設置を行うことでお客様が自力で解決できるよう、情報の事前提供も推奨されます。
それ以外では注文時や会員登録時に自動配信メールを送信し、お客様にストアについてのよくある質問やヘルプページをご用意する場合はそちらのご案内を行うことでお問い合わせをしなくても直感的でわかりやすいストアになります。
コミュニケーションで意識できること
海外のお客様は日本のお客様と考え方が異なります。日本では礼儀正しさや丁寧なサポートが当たり前になっているケースが多いですが海外では日本のストアほどの丁寧なサポートが当たり前でないこともしばしばあります。そのため、国内と同じように対応をするだけでも海外のお客様にとっては手厚いサポートに感じられ、好印象になります。
サポートが手厚いだけでもリピート購入のきっかけになることもありますので、国内サポートと同レベルあるいは国内以上に手厚いサポートを意識することで、より良い結果につながる可能性があります。
配送についてのコミュニケーション
国際配送は国内の配送と異なり、発送からお届けまでの期間が長く、関税も通るため、お客様にとって不安に感じる要素が多くなります。お客様が不安な気持ちを抱かないよう、配送の状況を理解し、お客様に共有しましょう。関税の審査状況やパッケージの現在地などはお客様からすると気になる内容で、きちんと注文した内容が動いていることが確認でき、安心感につながります。安心感は信頼につながり、その信頼がリピート購入を生みだします。
マーケティング
マーケティングを実施していないストアからすると、こちらは最ハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、無料で試すことのできる施策も当然ありますので、まずは取り組みやすい施策から始めてみましょう。
無料マーケティング
- Google Shopping
GoogleショッピングはGoogleで検索を行った際に「ショッピング」のタブにて商品が表示されるような仕組みになります。商品をさまざまな人に閲覧していただくための強力な武器になります。Googleのリスティングポリシーをご確認いただき、ポリシーに準拠して、しっかり表示されるよう設定しましょう。
- 商品レビューとSEO
Shopifyは特にSEO周りの対策をしやすいプラットフォームとなっておりますが、具体的に行う内容がわからないこともあるかと思います。取り組みやすい内容ですと、商品説明を多言語で記入し、さまざまな国で商品が表示されるよう対策を行うことがあがります。
意外と知られていない事実ですが、商品レビューは商品のSEOに大きく関係しており、多くの好評なレビューを集めることはSEOの大幅な改善につながる場合があります。カスタマーサポートや購入後のフォローを通してなるべく多くのレビューを獲得し、SEOの改善に繋げましょう。商品レビューの獲得にはJudge.meアプリをご利用いただき、商品レビューを促すにはeasyPointsのポイントアプリにてレビュー特典などを導入することでレビュー掲載を促進することが可能です。
- 外部発信・SNSなど
SNSは無料で行える施策としては最も大事です。越境販売を始めても、それを世界に発信する手段がないと、当然外国のお客様は訪れません。現代ではSNSのみでストアを大きく成長させた例も多々あり、運用の方法次第では有料マーケティングよりも効果があります。閲覧数などのデータも非常にとりやすく、分析を通して戦略的な施策を組み立てることも難しくありません。はじめていないストアはまずは試しに始めてみましょう。
有料マーケティング
有料マーケティングでは費用が発生するため、ストアの無料マーケティングが成功してから実施することを推奨いたします。無料マーケティングを通して知識を身につけることで有料のマーケティングで失敗のリスクを抑えることもできます。
- SEO分析のツールや専門家を雇う
マーケティングにはSNS専門やSEO専門などのツールや人材が多く存在するため、そちらに一定のコストをかけて専門家に依頼するのも有効な手段です。より専門的で効果が証明されている施策を打つことや、高いレベルでの分析を行うことで成果に繋げやすい環境づくりが可能になります。
- 広告
GoogleやMeta広告などを活用することで、Youtubeの検索、Googleの検索でヒットしやすくすることや、InstagramやFacebookなどで商品を表示することができます。TikTokなどを利用することで若い世代に向けて広告を表示することができます。広告を通して商品やブランドのロゴを確認してもらい、ストアに実際に訪問・購入に至る可能性も高まります。現在は知識もネット上で多く出回っているので、勉強することも難しくはありません。

まとめ
コミュニケーションとマーケティングは越境Eコマースだけでなく、国内で成果をあげるためにも重要な要素です。越境販売ではコミュニケーションは特にお客様を惹きつけ、離さない手段として有効的であるため、とくにカスタマーサポートに注力することが重要です。マーケティングに関しましては国内だけであれば力をそこまで入れる必要がないケースもありますが、国外の場合は必ず必要になってきます。特に認知していただくためにSNSを英語など多言語で運用することは、認知拡大に非常に効果的です。ストアにどのような施策が合っているかを確認し、自社ストアに合った施策を見極め、段階的に取り組んでみましょう。
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