
【全3回】成功ストアから学ぶ越境ECで押さえるポイント③
配送と梱包
2025/11/28
前回の記事では、越境販売を始める際に売上を大きく左右するコミュニケーションとマーケティング方法について解説させていただきました。正しいコミュニケーションと適切なマーケティング施策を行うことで成果につながりやすく、越境販売を軌道に乗せるための手段として効果的です。今回はシリーズ最終回として、成果に直結しやすい「配送」と「梱包」にフォーカスします。梱包と配送はお客様の1回の購入体験の最後の部分で、今後のストアの印象を左右するため、上手に活用することで成果につながります。
成功ストアから学ぶ越境ECで押さえるポイント① - 言語と国ごとの違い
成功ストアから学ぶ越境ECで押さえるポイント② - コミュニケーションとマーケティング
01
配送で行える工夫
選択肢を幅広く、さまざまなニーズに応える
コミュニケーションで問題を阻止
関税を理解する
02
梱包で成果に直結する工夫
梱包を意識する理由
梱包の強度
扱いやすいパッケージ
緩衝材
03
成功の実例
お客様からの声
評価につながる施策
配送で行える工夫
第1回の記事では配送料金の違いについて説明しましたが、配送方法の種類についても注意するべき点がいくつもあります。配送方法や到着までのスピードは、お客様の印象に大きく影響し、お客様の視点を考慮して設定を行う必要があります。大きく成功しているストアの例だと、配送方法を絞らず、多くの選択肢をお客様に委ね、信頼を勝ち取っています。複数の配送方法を用意することでさまざまなニーズに応え、満足度を高められます。
また、コミュニケーションの箇所でも記載しましたが、配送に関連した情報を正確にお客様に理解していただくことがかなり大事です。あらかじめ配送可能な国をストア上に表示することや、越境販売を行なっているか、そして大事な情報を必ず読んでもらうためにチェックボックスを必読箇所に設置するなどを行い、認識のズレやトラブルを未然に防ぐことができます。
加えて、国際的な配送には関税がつきものです。各国の関税(特に自社ストアがよく商品を販売する国の関税情報)を理解し、関税をスムーズに通ることができるよう準備を行いましょう。関税の詳細を簡単に理解ができる記事も今後公開予定です。
Shopifyでも関税や税金の設定を行うこともできるので、そちらをうまく利用することもできますし、関税を含めた配送(関税元払い)取り扱っている配送業者を利用することも可能です。DHLは関税元払いの配送業者としてよく知られています。それ以外ではFedEXやUPSなども同じように関税の元払いが可能です。しかし、関税元払いを提供する配送業者は提供していない業者に比較すると利用料金が高額なる傾向があるので、注意が必要です。例えば日本人にとって馴染み深い日本郵便では、一部サービスを除いて基本的に関税の元払いは利用不可であるなど、配送方法によって対応の可否も様々です。例えば日本人にとって馴染み深い日本郵便では、一部サービスを除いて基本的に関税の元払いは利用不可であるなど、配送方法によって対応の可否も様々です。お客様に多くの選択肢を提供することが、理想的な配送体験につながり、上記で挙げられた配送業者全て利用することが推奨されています。
DHL
配送日数:
2~3営業日
関税元払い:
あり
料金:
高め
評判:
国産ECで人気
おすすめ度:
★★★★★
FedEX
配送日数:
2~3営業日
関税元払い:
あり
料金:
高め
評判:
知名度が高い
おすすめ度:
★★★★★
日本郵便
配送日数:
1~2週間
関税元払い:
なし
料金:
安い
評判:
日本で人気
おすすめ度:
★★★★★
UPS
配送日数:
2~3営業日
関税元払い:
あり
料金:
高め
評判:
知名度はあまりない
おすすめ度:
★★★★☆
ヤマト運輸
配送日数:
6~10営業日
関税元払い:
あり
料金:
普通
評判:
国内で人気 + 知名度あり
おすすめ度:
★★★☆☆
佐川急便
配送日数:
要相談
関税元払い:
相談必須
料金:
不明
評判:
国内知名度あり
おすすめ度:
★★★☆☆
配送に慣れてきたら、関税を簡略化する制度についても調べてみるとよいでしょう。代表的な例だと、EU諸国への配送で適用が可能なIOSS制度などが挙げられます。簡単に説明すると、一定金額以下の商品(配送物)であれば、関税を簡素化できるといったシステムです。アメリカ合衆国でもDe minimis 制度(800ドル以下の配送物は関税を免除される)などもあるので、余裕がある場合、各国の詳細を確認することが推奨されます。
梱包で成果に直結する工夫
実際に届いたパッケージの見た目や商品の状態は、お客様にとって非常に重要なポイントです。特に壊れやすい商品や、高価な商品には敏感になりやすいです。海外から購入した商品が何週間・何ヶ月といった期間を経てやっとお客様のもとに辿りついた際に、新商品が破損していたり、箱が大きく凹んだ状態で玄関へ届けられてしまうと、お客様の大きな不満につながります。越境ECで大きな成功を収めているストアはこういったことが起きないよう、お客様に配慮して梱包に工夫をしていました。
梱包に工夫を行うことは実は想像以上に大変ではなく、大きなコストを割けずに行える内容です。少しの時間や費用でお客様の満足度が180度変わるので、まだ対応していない場合は、ぜひ実践をおすすめします。お客様に少しでも好印象を残すことで、再度利用してくださるリピーターになる可能性も高まります。ストアの利益の80%はリピーターからと言われているため、ここがスターティングポイントになるかもしれません。
ポイント①:「梱包材(ダンボール)の強度」
当たり前に感じるかもしれませんが、海外へ向けた配送は国次第で配送期間が左右される可能性があります。加えて、配送方法によっても配送期間は大きく変動します。国内の1週間で届く配達物であれば普通のダンボールでも特に問題はありません。しかし、2-3ヶ月の配送でも同じダンボールを利用した場合、崩れてしまう可能性も考えられます。ダンボールは商品を守るための最も外側のバリアで、しっかりしていないと、商品にもダメージを与えることになります。配送期間を考慮し、通常よりも固いダンボールを用意し、お客様に傷ひとつない商品をお届けしましょう。
ポイント②:「扱いやすいパッケージ」
パッケージや梱包は運びにくかったり、扱いにくい形状は結果として丁寧に扱われにくくなる可能性もあり、関税を通る際にも手荒く扱われる可能性があります。丁寧に扱わないのは、扱えないからであり、パッケージにひと工夫加えることで、商品の扱われ方も変わってきます。大きすぎない梱包や持ち手つきの箱など、細かい工夫を行いましょう。万が一のこともあるので、配送方法に保険が適用できる場合は適用しましょう。成功しているストアの一例では、基本的に保険が適用された状態でチェックアウトが行われ、お客様が必要ないと判断した場合のみ外すことが可能になっています。こういった一工夫でトラブルを未然に防ぐことができます。
ポイント③:「緩衝材」
緩衝材とは衝撃を抑えるダンボールの中の素材のことです。国内配送でも基本的には含まれており、代表例としては紙やバブルラップなどをよく見かけるかと思います。しかし、国際配送では重量も料金の一つの基準となるため、できるだけ軽くて衝撃を和らげることのできる素材が望ましいです。成功しているストアでは空気袋などが利用されていました。空気袋であれば、重さをほとんど加えることなく、かなりの衝撃に耐えることが可能になります。エアークッションなどと呼ぶこともあります。
上記以外だと、ラベルを貼り付ける位置やラベル作成の工程などで工夫を行うこともできますが、特にお客様の印象に残りやすいのは、上記3点の工夫です。
成功の実例
配送と梱包はストアの評判や売り上げに直接関わる部分でもあります。配送方法の種類はすべてのお客様が好みの配送方法を選びやすいようにすることができますし、梱包はお客様へ届けるまでに商品をきちんと守り、お客様のことを考えていることを間接的に伝える手段にもなります。梱包をお客様目線で丁寧に工夫したあるストアでは、その成果を強く実感しております。実際にお客様のレビューを多くいただいており、ほとんどのレビューが商品の梱包や配送の期間に関するレビューでした。高評価を得たことが新たな顧客の獲得につながり、多くのお客様に丁寧なサポートと手厚い梱包を提供し、好循環が生まれます。また、同ストアではリピート率が60%を超えており、お客様が満足できるサービスを提供することで継続的な売り上げにもつながることが証明されています。
配送や梱包は越境ECを行う上で重要な要素で、忙しいと意識することができないかもしれません。しかし、お客様の立場から考え、配送の手段や受け取った配達物の質などを考慮することがマイナスにつながることはありません。また梱包や配送手段にかけるコストは見合っており、少ない労力と費用でお客様と良好な関係を築き、最終的に売り上げに繋げることができます。
配送と梱包チェックリスト
まとめ
お客様のストアの評価はさまざまな細かい箇所から構成されており、商品の質、サポートの質、UI、配送期間などが代表的ですが、配送や梱包も同じくらい大事です。配送は期間はもちろん、不自由なく選択できることもストアの大きな武器になります。
また、梱包に関してはお客様がストアの最終評価を行う最後の部分です。商品を購入し、どういった状態で届くかは購入者にとってはとても重要です。
”終わりよければ全て良し”といった言葉があるように、届くまでの道のりがスムーズでなかったり、トラブルがあった場合も、最後の印象を良くすることで全体の評価が下がりにくくなります。もちろん、商品の購入から配送、配達まですべて完璧に行うことが理想ですが、そうでなくても最後の梱包の部分でお客様の評価を上げることができます。お客様の評価が評判に繋がり、評判が新規の獲得にもつながります。
お客様の購入体験の質を配送の種類や円滑な関税の通過や丁寧な梱包を通して向上することができ、購入体験の質が向上すれば、ストアへの信頼や好感にも自然とつながっていきます。細かい工夫を通して、長期的にお客様から愛されるストアを目指しましょう。
全3回を通して越境販売で成功するストアが実践した施策をご紹介させていただきましたが、皆様の力になることを心より願っています。越境販売に関するお困りごとなどがありましたら、お気軽にご相談ください。皆様の国際的な成功に期待しております。
越境販売のメールサポートはsupport@lunaris.jpへ
チャットサポートはこちら
